オリジナルデザイン！？

今年も早いもので9月に突入しました。ここ1年は、大口のオーダーも抱えたまま全速力で駆け抜けた、という感じのシーズンでした。ただ、その後は店頭での苦戦もあるのか、そういった勢いが継続しないような、なかなか読みにくい商況です。特に、大手アパレルはブランドの廃止や、リストラがリアルタイムで進行中で、今後の業界の展望という意味でもターニングポイントの真っ只中に来ています。

 
２０２０年東京オリンピックは、本来ビッグイベントで、こういった厳しいニュースも吹き飛ばして、皆で盛り上がる！という意味合いが強かったように思いますが、競技場の問題や、エンブレムの問題等、何となくマインドもどんどんマイナスに働くような形になっており、残念です。

 

特に、エンブレムの問題は、あまりにもお粗末な結果に感じます。このデザイナーの方の考え方が、安易なコピーや無断転用を許していたにも関わらず、それでも「この部分はオリジナルだ」と主張することはやはり許されないと思います。

 

我々ファッション業界でもそんなにこだわらない物作りが蔓延しており、結果的には、そこが店頭での苦戦に直結しているようにも感じます。先日も、原案は私の図案から作成したプリントデザインが、どこからかコピーされ、とある大手ブランドで堂々と売られていました。コピーした方も、採用した方も、そんなことは知らずに作業されていると思いますが、その辺りにあった物の中から、チョイスしてアレンジする、というようなことに抵抗が無くなってきている、それが普通になってきているのが現場の現状かと思います。

 

そもそも「デザイン」という物は、いくらコンピュータが進化しようが、情報が増えようが、一から生み出した物と、そうでは無い物のどちらかしかありません。ネットで検索したら似た風景が出てくることはありえません。空港にエンブレムを飾るイメージを他人の写真から転用する等は、ずぼら以外の何物でもありません。せめて、羽田空港位なら自分の足で、自分のカメラで、たとえ似たアングルでも撮ってきた写真から作成できなかったのでしょうか。都内から３０分位で行けますよね。

 
私は、今後もデザイン・意匠にはこだわっていきたいと思います。来週からは、イタリア ミラノ、フランス パリの素材展 図案展に自分の足で出向き、打ち合わせ・買い付けに行ってきます。オリジナルの意匠提案で勝負していきたいという気持ちがいつもよりも強く思う今日この頃です。
２０１６～２０１７秋冬物企画も、遊び心とグレード感に溢れる「オリジナルデザイン！」を提案します！

 
乞うご期待！！

2015.09.03